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【特集】 高性能なCPUクーラーを使えばゲームパフォーマンスは上がるのか?空冷・水冷クーラーで検証 - PC Watch

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検証で使用した3種類のCPUクーラー

 最近のハイエンドCPUは高発熱なものが多い。それにともない冷却能力の高いCPUクーラーが必要とされがちだ。では、実際のところCPUクーラーの良し悪しでPCのパフォーマンスはどの程度変化するのだろうか?

 ここでは、空/水冷でグレードの異なるCPUクーラーを3種類用意し、その違いによってゲームパフォーマンスが変わるのかを調査する。果たしてガチゲーマーはできるだけ高性能なCPUクーラーを用意すべきなのかなど、この検証を通じてそういった疑問に答えていきたい。

CPUベンチマーク「Cinebench 2024」で高負荷テスト

 ゲームでの検証結果を紹介する前に、Core i9-13900Kの全コアに高負荷を掛けられるCinebench 2024のMulti Coreテストを使って、CPUクーラーの違いによってCPU性能がどの程度変化するのかを確認しておこう。

 各クーラーのMulti Coreスコアは、DeepCool AK400が「2,013」、DeepCool ASSASSIN IVは「2,116」、MSI MEG CORELIQUID S360は「2,204」。

 DeepCool AK400のスコア基準とした場合、DeepCool ASSASSIN IVは約5.1%、MSI MEG CORELIQUID S360は約9.5%高いスコアとなっており、CPUクーラーの冷却性能の差がCPUのパフォーマンスに影響していることが分かる。

Cinebench 2024

ベンチマークスコア│Cinebench 2024

 テスト実行中のCPU温度はCPUクーラー3製品とも平均90℃代後半、最大では100℃超となっており、どのCPUクーラーもテスト実行中はサーマルスロットリングが動作する100℃前後で動作していたことが伺える。

CPU温度│Cinebench 2024

 サーマルスロットリングは目標温度(今回は100℃)を維持できるレベルまでCPUの消費電力(発熱)を減少させるので、すべてのCPUクーラーが目標温度に達したこのテストでのCPU平均消費電力は、DeepCool AK400が「230.8W」、DeepCool ASSASSIN IVは「269.8W」、MSI MEG CORELIQUID S360は「290.0W」と、冷却性能の高いクーラーほど高い消費電力となっている。

CPU消費電力

CPU消費電力│Cinebench 2024

 CPUクロックはスロットリングによる消費電力の削減幅が大きいほど低下する。スロットリングの影響を受けなければPコア=5,500MHz、Eコア=4,300MHzで動作するCore i9-13900Kのクロックは、DeepCool AK400でもっとも大きく低下しており、逆にMSI MEG CORELIQUID S360はほとんど低下していない。サーマルスロットリングによる消費電力の削減幅のわりにベンチマークスコアの低下が少ないのは、クロックを多少絞るだけで電力効率が大きく改善して発熱が減少するCore i9-13900Kの特性によるものだ。

Pコアクロック/Eコアクロック

Pコアクロック│Cinebench 2024
Eコアクロック│Cinebench 2024

DeepCool AK400

DeepCool AK400│Cinebench 2024

DeepCool ASSASSINV IV

DeepCool ASSASSINV IV│Cinebench 2024

MSI MEG CORELIQUID S360

MSI MEG CORELIQUID S360│Cinebench 2024

 ともあれ、CPUクーラーの冷却性能によってCPU性能が変化し得ることは確認できた。このような性能変化がゲームでも起こるのか確かめてみよう。

ゲームでのパフォーマンスを比較

 ここからは、実際のゲームを使ってCPUクーラーの違いによる性能の変化を確認していく。テストに使用したのは次の5タイトルだ。

  • フォートナイト
  • サイバーパンク2077
  • ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON
  • DEATH STRANDING
  • Microsoft Flight Simulator

 検証方法は、ゲーム実行中の平均フレームレートとCPUステータスを「HWiNFO64 Pro」で計測して比較するというもの。テストではCPU負荷や温度の変化を捉えるため、約10分間という長めの計測時間を設けるとともに、可能な限り同じシーンで計測を行なうことで負荷のブレが少なくなるよう調節している。

 なお、計測はフルHD/1080p(1,920×1,080ドット)と、4K/2160p(3,840×2,160ドット)で実施した。

ゲームプレイ中のCPUはフル稼働時より発熱は少なめ

 今回テストした5つのゲームでは、いずれもCPUクーラーの違いによる性能変化は確認できなかった。

 より極端なグラフィック設定や、マルチコアをフル活用するシミュレーションゲームでは性能変化が生じる可能性もあるが、ゲーム中のCPUはCinebenchなどでフル稼働中より発熱が少ないことがほとんどで、フル稼働時にサーマルスロットリングを生じるCPUクーラーであっても、ゲーム中ならCPUを十分に冷却して最大限の性能を引き出せることは珍しくない(もちろんエアフローが極端に悪いPCケースなどでは変わってくる可能性はある)。

 フル稼働中のCPUを温度リミット未満まで冷やし切って最大限の性能を引き出すというのは理想だが、現代のハイエンドCPUでそれをCPUクーラー選びの基準にしてしまうと、高価で大型のクーラーしか選択肢に残らない。

 本当に重要なのは、必要な場面で必要な性能をCPUから引き出せるように冷却することだ。CPUの発熱量は個体差やマザーボードの最適化具合によっても変化するので、必要十分な冷却性能がどの程度なのかを推し測ることは難しいが、常にCPUを冷やし切って最大限の性能を引き出さなければならないという考えを改めることが、自分のPCにとって最適なCPUクーラーを見つけるための第一歩となるだろう。

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