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誇るべき技術の進化 - 日本経済新聞

カリフォルニア州では、新型コロナウイルス危機が続き、終わりの見通しはない。だが、危機の中で明らかになったことが一つある。コンピューティング技術を用いた仮想世界がますます社会に不可欠なインフラとして存在感を強めていることだ。新型コロナの感染を避けるため、人々の現実世界での接触を制限する必要が出てきたためだ。

カリフォルニア大学バークレー校在学中に交換留学で来日。日本のIT(情報技術)産業にも詳しく、技術誌やウェブサイトなどでジャーナリストとして活動。日本での勤務経験もある。

カリフォルニア大学バークレー校在学中に交換留学で来日。日本のIT(情報技術)産業にも詳しく、技術誌やウェブサイトなどでジャーナリストとして活動。日本での勤務経験もある。

米シリコンバレーが先導するテクノロジー業界は短期間で驚くべきスピードで進化した。エイズウイルス(HIV)が、米国で発見された1981年ごろの技術と今を比べてみたい。

まずはパソコン技術だ。81年に米IBMは初期のパソコン「IBM・パーソナル・コンピューター」を発表した。このパソコンは、5.25インチのフロッピー・ディスク(最大2台で、容量320キロバイトまで)と4.77メガヘルツで動作した米インテル製のマイクロプロセッサーを採用した。スーパーコンピューターでは、80メガヘルツで動作した「Cray-1」が市場では標準だった。

商用の携帯電話サービスは83年に始まった。81年では試験的なサービスの提供だった。通信技術では、有線LANイーサネットの技術は存在したが、標準化されたのは83年だ。もちろん、無線LANはなかった。

インターネットは、初期のインターネットと呼ばれた「ARPANET」は存在し、大学向けの「CSNET」も登場したころだ。

当時、個人用のパソコン市場は存在したが、高価格だったこともあり、コンピューターと通信の市場は主に企業と政府に限定されていた。81年当時、HIVの社会影響は深刻だったが、現在と異なり大規模な隔離の必要はなかったため、社会は当時のアナログ・インフラ上で動作を続けた。

そして現在、技術環境は生まれ変わった。19年に発売された「iPhone11」は、2.65ギガヘルツで動作し、低価格版のデータ保存容量は64ギガバイトとなる。

この進化のスピードを理解するため、自動車を例えにして考えよう。81年製の自動車は、今でも一般道を走っている。だが、81年のIBMのパソコンの場合、今では使い物にならない。

81年にサーバーを購入したり、運営したりしていたのは大手企業や政府機関に限られた。現在ではクラウドコンピューティングの環境が整い、数人のスタートアップ企業でも、ニーズの変化に応じて、サーバーの容量を簡単に変えられる。

19年の全世界のインターネット利用者は41億人を超えて、地球の人口の半分以上になったとされる。テクノロジー業界の活発な活動で、コンピューターや通信、サーバー、ソフトウエアなどコストや性能、信頼性は大きく向上した。世界の人々や企業の大半、政府は毎日の生活にコンピューティング技術を活用できるようになった。

新型コロナの危機で、社会全般でコンピューティング技術をますます頼るようになった。完璧ではないが、人々が社会的距離を保つ必要があるなか、テクノロジー業界は交流や商売などのニーズに対応できている。誇るべき成果と思う。

[日経産業新聞2020年7月28日付]

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