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軽自動車の技術を生かした5ナンバーSUV ダイハツ「ロッキー」(トヨタ「ライズ」)(Vol.584) - 読売新聞

 ダイハツ工業から小型SUV(スポーツ用多目的車)「ロッキー」が発売された。デザインなどが異なるが、トヨタ自動車は「ライズ」という名称で販売している。近年はSUVが人気を集めているが、多くは大型の3ナンバー車であり、5ナンバー枠で乗れるSUVの登場が待たれていた。

 「ロッキー」は、ダイハツが軽自動車開発のために構築したDNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)を応用した登録車である。開発担当者は、「軽自動車開発で得た知見を登録車にも()かすことで、よいクルマを手ごろな価格で提供できた」と話す。

 「ロッキー」「ライズ」ともに、エンジンは排気量が996ccのガソリンターボエンジンを搭載する。トランスミッションは、ギアを併用するCVT(無段変速機)を使う。これは、軽自動車「タント」で採用された方式である。

 試乗したのは、「ロッキー X(グレード)」と、「ライズ Z(同)」だ。両車の違いは、タイヤ寸法で、「ロッキー X」が16インチ径、「ライズ Z」がより扁平(へんぺい)な17インチ径である。どちらもFF(前輪駆動)車で、ほかに四輪駆動(4WD)もある。また、顔つきも両車で異なっている。

 「ロッキー」でまず驚かされたのは、アクセルペダルを軽く踏みこむと、ビュンと勢いよく、まるで飛び出すように発進したことだ。それほど出足の勢いがよいのは、ギアを併用したCVTの効果だろう。変速幅を広くしたことで、エンジンの力を余すところなく増幅し、発進の力としている。この勢いがあれば、乗員数、荷物ともに多く積んだ時にも十分な出足が得られるのではないだろうか。

 その先の加速もよく、ビュンビュンと元気よく走り、運転することに心が弾んだ。やや気になったのは、カーブを曲がる際に右斜め前方の視界がフロントウィンドーの支柱で遮られることだった。衝突時の安全確保のため、近年はいずれのクルマもこの支柱が太くなる傾向があるが、もう少し視界の確保が考慮されてもいいのではないかと思った。

 乗り心地も悪くはないが、路面の影響を受けてタイヤの上下動の振動が収まりにくい。ただ、これは17インチ径のタイヤでは振動が減ったため、タイヤ寸法とサスペンション設定の相性によるのかもしれない。

 後席は空間として十分なゆとりがある一方で、床から座面までの寸法はやや短く、腰が落ち着かない座り心地だった。足元の広さで居住性を判断する見方もあるが、それ以前にまず座席にきちんと座れることが大切だ。運転者と違い、ハンドルなど常時つかまっているものがない同乗者には、そのほうがありがたいはずだ。

 小型SUVであるため、座席からの乗り降りは前後ともしやすかった。車体が小さいことによって、室内から下ろした足が地面に届きやすい。

 荷室は、十分な広さがある。さらに床下にも、かなりの容量を持つ小物入れが設けてあり、実用性の高さを印象付けた。

 トヨタ「ライズ」は、目標台数の8倍という3万2000台もの受注を発売後1か月で達成したという。消費者の期待が数字に表れている。

 最後に、残念な点はテレスコピックというハンドルの前後調整機能がどちらのクルマにもついていないことだ。この連載で何度も指摘しているが、運転者の体格に応じて、ペダルに十分届く位置に運転姿勢を合わせる機能は必要だ。それが無いと、ペダルの踏み損ないなどにつながる懸念がある。今回の試乗でも、ペダルが近すぎることにより足首を余計に曲げなければならなかった。体への負担が大きく、運転を早く終えたくなった。せっかくのクルマの魅力を味わいつくせないのは残念でならない。手ごろな価格の実現は素晴らしいが、必要な機能まで省く必要はない。

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December 31, 2019 at 03:20AM
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